マラウイ一般情報

令和4年8月5日
malawi.frag.gif マラウイ国旗:太陽の日の出は,独立後の発展を象徴しています。

1 マラウイ概要

(1)国名の由来

 独立前の英国植民地時代はニヤサランドと呼ばれていましたが,1964年の独立の際,新国家にふさわしい国名を模索し,新国家  に新たな光をもたらすとの含意から,チェワ語で「光線,炎,反射」を意味する“MALAVI”に因んでMALAWI となりました。国旗は,赤(自由のために闘って流した血),黒(アフリカ人),緑(自然)を表し,上段の太陽の日の出は,独立後の発展を象徴しています。
 

(2)マラウイの人々
 人口は約1,913万人で4つの主要部族(チェワ族,ヤオ族,ンゴニ族,トゥンブーカ族)に分かれていますが,部族間の対立はほとんどありません。国民の約75%はキリスト教徒,約20%はイスラム教徒(その多くがヤオ族),その他は土着の伝統宗教があります。公用語は英語とチェワ語です。マラウイは,豊かな自然に恵まれていること,温厚で親しみやすい国民性から,古くより「アフリカの温かい心(Warm Heart of Africa)」と称されています。
 

(3)食べ物                
 主食はメイズ(白トウモロコシ)の粉をお湯で溶き,加熱し練った「シマ」と呼ばれるものです。また,お米はかっては高級品で結婚式など祝いの席で供されましたが,現在では都市部などで普及しつつあります。 おかずの代表はマラウイ湖固有のチャンボという魚です。チャンボとはシクリッド科オレオクロミス属(チャンボ属)の 数種類の魚の総称で,体長20~30センチの白身で淡泊な味がします。 唐揚げにしてシマと一緒に食べるのが一般的です。

(4)国土
 約4800キロあるアフリカ大地溝帯(Great Rift Valley)はマラウイを横断しマラウイ湖は同地溝帯の南端に位置しています。マラウイ湖は標高475m,その西側は高原地帯(1,000-2,000m)となっています。首都リロングウェ,ブランタイヤ,ゾンバおよびムズズの主要都市は標高約1,100-1,300mに位置します。マラウイ湖より南部のシレ地区は湖面より低い低湿地帯(標高100m)となっています。
 マラウイ国土(約12万平方キロ:日本の3分の1)の5分の1近くを占めるマラウイ湖は,ビクトリア湖,タンガニーカ湖に次ぐアフリカ大陸で3番目に大きな湖で日本の琵琶湖の46倍の大きさです。1984年に南端のマラウイ湖国立公園がユネスコの世界遺産に指定され,マラウイ最大の観光スポットとなっています。また, 南部の高地にあるムランジェ山は標高3,002メートルで,南部アフリカでは最高峰です。同山の麓周囲には茶のプランテーションが広がっています。

 

 

 

2  基本情報

(1)一般事情
●面積 :11.8万平方キロメートル(日本の3分の1)
●人口 :1,913万人(2020年,世銀)
●首都 :リロングウェ
●民族 :バンツー系(主要部族はチェワ族・トゥンブーカ族,ンゴニ族,ロームウェ族,ヤオ族)
●言語 :チェワ語,英語(以上公用語),各部族語
●宗教 :人口の約75%がキリスト教(その他イスラム教,伝統宗教)
●国祭日 :7月6日(独立記念日)

 

(2)マラウイ略史
1859年 リビングストン,マラウイ湖に到着
1891年 英保護領へ
1953年 ローデシア・ニヤサランド(現マラウイ)連邦
1964年 英国より独立(7月6日) 
1966年 共和制に移行(マラウイ議会党による一党制) 
1971年 バンダ大統領が終身大統領に就任
1993年 国民投票により一党制から複数政党制へ移行
1994年 独立後初めての大統領・議会選挙でムルジ大統領就任
1999年 ムルジ大統領再任
2004年 選挙によりビング・ワ・ムタリカ大統領就任
2009年    選挙によりビング・ワ・ムタリカ大統領再任(5月)

2012年 ビング・ワ・ムタリカ大統領逝去に伴いバンダ大統領就任(4月)

2014年 選挙によりアーサー・ピーター・ムタリカ大統領就任(5月)
2019年 選挙によりアーサー・ピーター・ムタリカ大統領再任

2020年 憲法裁判決により2019年大統領選挙結果無効。アーサー・ピーター・ムタリカ前大統領留任。(2月)
    
ラザルス・マッカーシー・チャクウェラ大統領就任(6月)

 

(3)政治体制・内政
●政治体制:共和制
●元首:ラザルス・マッカーシー・チャクウェラ(H.E. Dr. Lazarus McCarthy Chakwera
●議会:一院制
●外務大臣:ナンシー・テンボ(Hon. Nancy Tembo)、2022年1月に就任。
 

(4)経済(単位:米ドル)
●主要産業 :(農業)たばこ,メイズ,茶,綿花,ナッツ,コーヒー
      (工業)繊維,石鹸,製靴,砂糖,ビール,マッチ,セメント
●GDP:121.8億米ドル(2020年:世銀)
●一人あたりGNI:580米ドル(2020年:世銀)
●経済成長率 :0.8%(2020年:世銀)
●インフレ率:21.2%(2015年:世銀)
●失業率:6.0%(2020年:世銀)
●総貿易額:輸出 10.80億ドル(2015年:世銀)
         輸入 23.11億ドル(2015年:世銀)
●主要貿易品目:輸出 たばこ,紅茶,砂糖,綿花,コーヒー,ナッツ等
            輸入 食料品,石油,資本財,消費財等
●主要貿易相手国(2019年:世銀):
   :輸出 ベルギー(16.6%)、ケニア(7.4%)、エジプト(7.2%)、南ア(6.7%)、アメリカ(5.5%)

   :輸入 中国(18.4%)、南ア(16.7%)、UAE(9.5%)、インド(8.7%)、イギリス(7.6%)
●通貨:マラウイ・クワチャ(MWK)

●為替レート:1米ドル=816MWK(2022年1月現在)

 

(5)日本の援助実績(2019年度まで累計)
●有償資金協力 331.49億円(2019年度 なし)
●無償資金協力 780.69億円(2019年度 1.53億円)
●技術協力実績 479.70億円(2019年度 10.16億円)